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[コメント] 時をかける少女(2006/日)

鑑賞後の一言 「嗚呼、でもやっぱり頭の中を巡るのは松任谷由実」
ぐ〜たらだんな

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







真琴が獲得した時間跳躍の能力は、同時に一体しか存在できないタイプのようだ。でないと、カラオケボックスが真琴で "うじゃうじゃ" になっていたはずだから。存在の優先権は時間を跳んで来た方にある。このタイプの時間跳躍で一番難しいのは消える方の処理なのだが、本作品はこの問題にシカトを決め込むというシンプルな解決策で見事に乗り切った。何しろ息つく間もなく、走って転んで跳んで、また走って転んで跳んでを繰り返すもんだから、観ているこっちの感覚が麻痺してしまう。しかも真琴は跳んだ先の日時を全く確認しない。その自信たっぷりの態度には、もはや文句の付けようがない。

だが、その自信たっぷりの真琴も、時間を反復しても変わらないどころか、むしろ悪化する状況に立ち竦む。人生には「あの頃に戻りたい」「あの時こうしていれば」と思う瞬間が幾度となくある。しかし、戻ったところで期待通りになるとは限らない。今を悔いなく生きろ、未来へ向けて突っ走れ。この映画が放つメッセージもシンプルだ。

本作品には何の責も無いのだが、観終わった後も『時をかける少女』と聞けば、やっぱり頭の中をぐるぐる巡るのは松任谷由実なのがちょっと複雑。星5つ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)モノリス砥石[*] ぽんしゅう[*]

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