結末が分かっているのに、ここまで緊張するとは思わなかった。

　9.11の話だと聞いて、安易な感動もののような作りだったら嫌だなと思っていたら、ところがどっこい、ドキュメンタリータッチの、非常に見ごたえのあるサスペンスだった。 　何がリアルかって、テロリストや乗客が、それぞれ行動を起こそうとする時に、葛藤し躊躇する様子が延々と描かれている所。これが普通のサスペンス映画なら、ヒーローは大したためらいもなく、テロリストに向かって突撃するだろう。しかし、それが果たして正しいことなのか？もし失敗したら？爆弾が本物だったら？と躊躇うのが実際の姿だろう。

　あの当時はリアルタイムでNステを観ながら、「これは第三次大戦が起きるな」と本気で思ったものでした。