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[コメント] ユナイテッド93(2006/仏=英=米)

衝撃的な映画が「傑作」となりうるには、その衝撃の持続が必要。だが、この映画の衝撃はあまりにも短すぎる。なぜならこれはロールシャッハテストだから。
月刊ムー

 この映画を見た人は、なんらかの衝撃を受けると思う。だが、持続性があるかというとかなり疑問。

 なんかロールシャッハテストを見せられている気がした。普通の映画ならば、「俺はこの話、すげえ面白いと思うから見てくれよ」といった製作者の魂の叫びが聞こえてくる。その叫びに対して、「あんたすげえよ、これはおもしれえ」とか「全然つまんねえよ」とか言い返して、そのキャッチボールが熱いんだけど、『ユナイテッド93』は、遺族や観客への誠意を感じさせる言葉の裏から、「この映画はどう見えますか?」という製作者の声が聞こえてくる。

 問われれば「無理にでもなにか考えた方がいいのかな」と思ってしまい、あれこれ思案してしまうが、でも、心理テストはあくまでも心理テストに過ぎず、考えたことも感想ではなく「反応」なので、その時しか覚えていない。

 駄作としての1ではない。映画の仮面をかぶった心理テストに1以外を付けたら、映画を撮っている人に申し訳が立たない。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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