[コメント] 紀子の食卓(2005/日)
予想外の佳作。『自殺サークル』('02)の別面を描いてい乍ら、登場人物の心象を切り取る事に成功し、全く別の位置で完成されている。(とはいえ園子温ワールドに不慣れなひとは、矢張り前作を観ておいた方がいいのかも知れない。)
途中からその作品が何処に行き着くのか恐ろしくなる小説がある。この映画もそんな作品だ。
この映画を視て、ひとが一生懸命生きるのは所詮は虚しさから逃れる為だけの幻影で、一生懸命仕事をしたり何かに夢中になる事を止めた途端に、ひとは「本来の」虚無に飲み込まれてしまうのか、と思えてきた。嫌だなぁ。恐ろしい映画だ。…
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助演のつぐみ・吉高由里子・光石 研らの名演に関しては他のひとが語るだろうから俺は触れないとして、主演の吹石一恵が佳い。普段のこの人は美人の例に漏れず演技は全く巧くないのだが、この作品には見事にマッチしている。
矢張りこういう事に挑戦出来ない女優(特に美人)は、俺は絶対に女優として認めないのだ。
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