[コメント] 夜のピクニック(2006/日)
映画とはまったく関係のない私的な記憶が溢れた。そんな極私的レビュー。
大学時代の学園祭の最終日。山手線の周りをぐるっと40数キロ一晩かけて歩く「オーバーナイトハイク」というのがあった。サークルの仲間たちと出発し、酒・集団・お祭り・・というハイなテンションで夜の東京を練り歩いた。
当時流行っていた歌を歌いながら歩いた。今でもその歌を聴くと思い浮かべるのはあの夜の光景だ。
やがて、ひとりふたりと集団は分散し数人同士の小グループになってくると、お祭り騒ぎの雰囲気は消え去る。
夜の闇と果てしなく長く続くアスファルトに口数は減り、心の会話が始まった。好きだった彼女と連れ添って歩く事に成功した僕は無口だったと思う。
人通りの無い朝焼けの銀座4丁目を覚えている。フラフラになりながら彼女と口を聞かずに歩いた記憶がある。思えば初めて一緒の夜を過ごし、一緒の朝日を浴びた。
これまで多くの出来事の記憶を消去してきたが、あの夜の何でもない記憶は絶対に消える事はないだろう。
この映画は多くの記憶をさらに呼び覚ましてくれた。その点については感謝したい。今夜は忘れかけていた記憶の中で「私の夜のピクニック」をしながら眠りにつこうと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。