[コメント] 父親たちの星条旗(2006/米)
イーストウッドらしいというべきか、あれだけの爆音が続いたのに映画自体は淡々と進んだ印象。寧ろこの映画の後に流れた次回作の予告篇5分で俺は泣いた。3.7点。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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リアリスティックな戦場シーン、老人が回顧する構成、共に以前の映画、特に今回製作者として制作に関わっているスピルバーグによって既に見せられており、既視感を伴った。時折挿入される現代などの時期の入替わりが、必要以上に映画を気ぜわしくさせているのに、マエストロによる手堅い映画作りの為か、結論を知らされたストーリーをなぞる為か、映画自体は淡々と進んだ印象となった。
英雄とされる事への疑問、戦費捻出の道具にされる事の苛立ちなどが画面から感じられない。登場人物(イーストウッド)の視点はやはり「国の為に闘った兵士たちへの慰霊」に注がれているからだ。英雄なんて居ない、と言いながら、兵士全員が英雄なのだ、と言っている。戦費捻出の必要性を認めている。結果としてそれが映画を淡泊なものにしてしまった。
次回作では「アメリカに父親の物語があった様に、日本にもあった父親や家族の物語」が、敵である日本という国に敬意を表しながら、この作品と併置する形で描かれるのだろう。しかし俺はきっと、イーストウッドのメッセージ以上のものを受け取って泣いてしまう事になるのだろう。…
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