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[コメント] 父親たちの星条旗(2006/米)

矛盾だ!
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しかし相変わらずクリント・イーストウッドのきめ細かいエピソードの積み重ねと重い画像、これらはすでにイーストウッドタッチともいうべき、過去に比類のない芸術の領域に達しているものと感じられる。

本当は、なぜ彼をこれほどまでにさせたのか?誰が彼にこのような芸術品を製作する力と影響を与えたのか?ということについて一度は考えてみたいと思っているのだが、それは時間のかかる作業になるだろう。つまり彼は誰でもないイーストウッドそのものだからだ。

さて、硫黄島からの手紙は映画館で見たのだが、実はこの映画を映画館で見ることができなかった。色々言われるが、やはりあの硫黄島から見下ろす湾の軍艦を大画面の映画館で見ない手はないだろう。終幕のテロップで実際の写真も紹介されるのだが、全く遜色ない光景だ。しかもこれを実物で表現しているところがすごい。

映画は商売である。この映画にどれほどの商品性があるかは知らないが、芸術性では過去のアメリカ映画でこれほどの表現をもたらした映画はないだろう。

日本側とアメリカ側の両面から探る第二次世界大戦について、日本人の私から見ても、この状況が矛盾であることを教えてくれる。

矛盾と矛盾のぶつかりあいがあの戦争だったのだ。

(評価:★5)

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