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[コメント] 007 カジノ・ロワイヤル(2006/米=英=チェコ)

確かにこれまでの『007』シリーズとは、質的に異なっている。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







序盤の建設工事中のビルでのチェイスシーンはすごかった。特にボンドよりも追われている方がすごかった。いろんな撮影方法を駆使しているのだろうけど、「生身であんなスタントできるのか、すげなー」と一種の感動さえあった。

空港でのチェイスもそう。ともかく生身で走って跳んで、というアクションは、見た目は小細工を感じさせず、「おお、肉体系ボンド」と思わせるものがあった。

後半は、ちょっとだれたような気もするし、変な恋愛シーンもやたらくどくてイマイチだったけど、このアクションはこれまでのシリーズものは一線を画していると思えたし、それが『007』シリーズとしてどうなのよ、という気はしても、これはこれで非常にいいアクション映画だと思った。

ところが終盤、その思いは一気に萎えた。

ラストシーンではもろ、前後編の2部作で続きがあるのかとあきれさせられたがそれを差し引いても、ポーカーゲーム以降のボンドは、1億ドルだかなんだか知らないが、それがどれだけの大金であるにせよ、また銀行口座の電子送金だかなんにせよ、結局のところは、現ナマに振り回されているだけではないか。いくら財務省が出てきたからってそんなに1億ドルが大事か。

ジェームス・ボンドには、たとえ嘘でもホラでも大風呂敷でもいい、世界平和のためにがんばってほしい、戦ってほしい、人を殺してほしい。

はっきりいって、いくら前半のアクションがすごくても、終盤にこんなにがっかりさせられた映画はめったにない。そしてそのめったにない映画がよりもによって『007』シリーズだとは。。。。

おじさんもう、泣いちゃいそうだ。

(評価:★3)

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