スティーブ・マックイーンとジェレミー・アイアンズを足して2で割ったようなクレイグ・ダニエルズを初めて認識したのは『ミュンヘン』であったか。この人なんかいいかもと思って、本作を見てみた。

印象は随分と獰猛でスマートさに欠けるボンドだなあといったところ。でもまあこんなのもありかな。嫌みがなくていいかもしれない。

最初の便所でぶん殴ってブチ殺し、無闇に運動能力の高い黒人との追っかけっこ、人妻とのチョメチョメ、飛行場での大捕物、エヴァ・グリーンとの恋のさや当て、手に汗握るポーカー対決、素っ裸での金玉拷問、ベニスの大爆発などなど見せ場多数。いくつかは本当にドキドキしたし、いくつかはどうでもよかった。ありていに言えば詰め込み過ぎで散漫になってしまった。もっと的を絞ればより強烈であったようにも思うが、次回作に期待ですな。