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[コメント] 風の中の子供(1937/日)

こんな奇跡のような映画がまだ埋もれているのか、日本には…!もう大傑作。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こんなに自然に子供を描く作品は現代では作れないでしょう。些細な事で喧嘩を始めてみたり、布団の上で水泳ごっこをしてみたり。しかも最初は兄が選手役、弟が解説役だったのに、最後入れ替わってるし!また近所のガキ大将的な弟が家ではよく泣くとか、兄は決して泣かないとか、こんなどこの家庭でも見られる日常的な兄弟のやりとりを「映画」として残せる清水監督って一体どんな手腕の持ち主なんだよ!と思わず唸ってしまう。

それから河童を見つけると言って川に飛び込んだ三ちゃん(弟)をおじおばが河童と遭遇したら大変だと本気で大騒ぎするシーンなんかも神々しすぎるし、桶で川下りするあのショット。川の流れに反射する太陽光、馬で駆けつけるおじ、後を走ってついてくる子供たち・・・なんという躍動感!

またそういう「動」のシーンをより際立たせるかのような「静」のシーンも素晴らしい。室内を映す固定カメラは小津安二郎を思わせる。清水監督と小津監督は同じ歳生まれ、生涯を通して親友だったとか。現在では固定カメラは小津的ショットとして有名ですが、どっちが先か分かったもんじゃないよコリャ。清水監督作品は小津作品同様に脚光を浴びるべきだ。いや素晴らしい!

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08.12.18 記

(評価:★5)

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