[コメント] 若者たち(1968/日)
家父長制の残滓を引きずる長男(田中邦衛)と、自由と個人主義に身をゆだねることの正否に戸惑う弟(山本圭/佐藤オリエ/松山省二)たち。次に目指す社会観のギャップという、敗戦から25年を経た60年代ならではの主題が生々しく展開されるのだが、芝居がいささ鬱陶しい。
木下恵介あたりに始まった大船調家族劇のテレビ界への浸透が、日常の瑣末事でドラマを組み立てるというテレビらしい作劇法で咀嚼され、テレビ演出家森川時久の新感覚で映画界へ逆流している作品だろう。まさに新旧メディアの融合を感じさせる。
これは余談。四兄弟が狭いアパートの室内で、家具やら建具を壊しながら取っ組み合いの喧嘩をするシーンが何度か出てくる。久世光彦の人気テレビドラマ「寺内貫太郎一家」(74)を思い出した。これは、あのドラマの名物だった小林亜星と西城秀樹の親子喧嘩シーンの元ネタではないのか。
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