[コメント] どろろ(2007/日)
妻夫木百鬼丸には、血肉を持たず復讐の化身と化した者が放つ負の壮絶さは皆無だが、蒼白美顔が醸し出す虚無があった。柴崎どろろには、戦場の孤児の諦観に裏打ちされたアナーキーさは求められないものの、女が男を演じる健気さがその生き様に上手くダブっていた。
適度に醜くちゃちな妖怪や臓器の造詣が、子供の観客(未だにこの程度でもPG-12指定なのだが)を想定し、お決りのワイヤーアクションが、おそらく輸出を意識したものだと割り切ってしまえば、手塚原作のエッセンスを巧みにすくい上げた及第点の娯楽映画だと思う。
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