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[コメント] それでもボクはやってない(2007/日)

踊る大捜査線 THE MOVIE』で分かった警察の官僚社会。正義の味方はTVの中だけで現実の警察は官僚社会だから信用出来ない。そして今回の映画では裁判すらもが官僚社会だと分かった。正義を貫いて無罪判決を出すのは自由だが出世したければ有罪にしろ、検察と無用な争いは避けろ、それが(出世を目指す)裁判官の仕事らしい。 以下はネタバレ含む裁判官の階級と警察との対応策を簡単に説明。
HILO

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







裁判官のトップ(つまりキャリアの頂点)は、 最高裁判所裁判官(最高裁判所長官)で皆がそれを目指す。 法律を使ったドラマに出てくる「最高裁の判事」とは最高裁判所判事の事で、 長官のナンバー2である。 正名僕蔵が演じる最初の裁判官が、 無罪判決を出す出世に興味がない正しい裁判官。 小日向文世が演じる交代した裁判官が、 最高裁判所長官を目指すべく有罪判決に必要な手続きを進めるキャリア裁判官。

警察⇔検察⇔裁判のトライアングル。 警察は点数稼ぎの為の違法捜査、検察は捏造書類に基づき違法起訴、 裁判は検察の起訴を元に有罪にすべく動き違法判決、 そして冤罪となる犠牲者が出鱈目に裁かれ有罪となる。

ちなみに劇中では求刑4ヶ月の実刑判決に対し、 判決は懲役3ヶ月に執行猶予3年だった(ハッピーエンドじゃないのが衝撃だった)。

検察と警察の面子の為の有罪判決で、 無実の被害者(要は冤罪)を罰するのは非人道的故に執行猶予を付ける事で、 警察や検察に逆らうなって見せしめプラス大人しくしとけば悪いようにはしないって、 そういう意味の判決だろうと推測出来る。

警察の違法捜査もある意味では現実的。 どうせ裁判になれば裁判官が違法捜査を揉み消すべく動き、 無罪を証明する物証は全て裁判官の権限で却下されてしまう。 だから警察と取引して穏便に済ますのが現実的だし安全。

ちなみに警察の違法捜査を裁判で訴えててもキャリア裁判官は無視する(信じると出世に響く)。 だから悪徳警察官に当たれば不運だと諦めて取引に応じた方が安全。

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