[コメント] アマデウス(1984/米)
人類史上伝統の一戦、「天才 vs 秀才」
協調できれば鬼に金棒、理想的なコンビになったであろう人達のお話。
天賦の才を持ってはいるが、それ以外はどうしようもないダメ人間。天賦の才はないものの、周りを見渡してそつなく事をこなし、何より天賦の才を理解することのできる人間。実際、こういうコンビは史上多く見られ、そしてその多くが大きな業績を残しているように思える。
作品中でも、秀才は随所で天才をフォローしている (結果論とはいえ…)。「フィガロ」の件での皇帝へのとりなしや、公演後の"反省会"。特にその中での、「君は観客を過大評価しすぎているんだ」は秀才の見事な見識。こういった、周りを見渡せる秀才のフォローは、天才には是非とも必要。
が、この作品は、そういった両者が協調に失敗した悲劇を描いたお話。最初は秀才に一方的に同情したが、ラストはすれ違ってしまった二人を愛惜した。そして、述懐の最後、「私には渇望だけを与え、彼からは命を奪った」という風な台詞があったが、彼の心にあったのは、「"友人"と散々すれ違わせた挙句、ようやく心が触れ合った直後に相手から命を奪った」そういった理不尽な神への怒りだったのではないか。独り善がりな解釈かもしれないが、私はその怒りに共感した。
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