[コメント] 恐怖のメロディ(1971/米)
大人の荒っぽさ
たまたま休みの日にたまたまつけていたテレビでたまたまやっていたのをたまたま観ていたらついつい引き込まれて最後まで観てしまった作品。 おそらくズタボロにカットされているであろうテレビ放映で採点するのは私的にはナシなのだが、面白かったのでつい。
彼の監督作品の特徴の一つとして、シンプルなストーリー(悪く言えばしょーもない話)だがその演出が「大人」だという点がある。 「大人」という表現が分かりにくければ、奇をてらっていないというか(本作では若干奇をてらっている部分もあるが)、落ち着いた、しっかりした演出をするということだ。
しかし、それが凡庸に見えないのは、思い切ったつなぎにある。 唐突に入る俯瞰(結構俯瞰が好きみたいだ)。細かい切り返し。 いやもう、荒っぽい。「大人だ」ってのと言ってることが矛盾しているようだが、若さ故の荒っぽさじゃなくて「大人の荒っぽさ」がある。何言ってんだかわかんなくなってるけど、まあ、そういうことで。
とても力量のある監督であることがこの監督第一作からうかがい知れるわけだが、普通、俳優の監督デビュー作ってのは「いい話」「感動的な話」を選びがち。それをこういう題材を選ぶ辺りにも「大人の荒っぽさ」があって、いかにも彼らしい。
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