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[コメント] 幸福な食卓(2006/日)

北乃きいは頑張っていましたけど。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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言葉に出来ない類の心の揺れが、言葉にされていて、うっへーって感じでした。「気づかないところで色々守られてる」とかもっと、ひそやかに演出して欲しいもの。

ラストはとくに珍奇で。定番の(大多数の人にとって正しい)人情劇を繰り広げるならまだしも、奇を衒った着地点。しかも、その内容が良くないと感じました。家族と恋人を比べて、家族の貴重さを賛美するのは、何かが違う。家族は後ろ盾や安定にはなるし、最後の最後は血の繋がりなのかもしれないけれど、あくまで作品として、そういった幾つかの事が、他人より大切な存在だ、と言ってしまえる決定力にはならない。少なくとも、高校生が言うような言葉ではない。

まあ、それはおいといて、、北乃きい。虚ろな眼とハキハキした口調のアンバランスさが気になりました。北乃きいというと、私は、TVドラマ「ライフ」(中野P加藤D)の印象が強いです。力強い真っ直ぐな眼と、ハキハキした口調。強さや迷いの無さをストレートに出すのは、抜群に良いと思ったのですが、実は、素に近いというだけだったのでしょうか。本作は、暗く停滞した感じの役であって、そういう顔や声をしなければならなかったのですけど、眼だけで頑張りすぎなくらい頑張って暗くしているように見えていました。これは、役者うんぬんじゃなく、監督が、キャラクターを見せるために発音の強さや呼吸の仕方まで、ちゃんと演出してください。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)TOMIMORI[*]

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