[コメント] 松ヶ根乱射事件(2006/日)
喜劇? 悲劇? 犯罪映画? 確かによく分らない話だ。しかし正直、そんなの何でもいいんじゃないかと思ってしまう。ただ目の前にあるフィルムの力。その力に圧倒される2時間弱のこの心地よさ。
この作品を劇中の刑事みたく「生き返ったところまでは面白かったんだけどなぁ」とこき下ろす人もいるだろうが、自分には本当に心地よい2時間弱だった。
川越美和や三浦友和ら、この映画に出てくる奴はみんな嫌な奴ばかりなのだが、そんな嫌な奴らほど魅力的だという映画の不思議。役者の妙。丁度いいところでカットが入る長廻しのリズムもすごくいい。
長廻しと言えば、これは『リンダ リンダ リンダ』の時にも書いたのだが、山下敦弘の諸作に、自分は相米慎二の面影を見る。先述の三浦友和の使い方だって、これはもう相米慎二じゃないか。
あと、細かい話だが、光太郎(新井浩文)の彼女が怒って帰るときの車のドアの締め方とか、ああいう怒りが画として伝わってくる映画はありそうでない。そういう意味でも、最近の映画ではすごく気に入っている作品だ。
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