[コメント] ナイト ミュージアム(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
どんな映画かは、わかった上で観はじめるものだから、オープニングの、展示物がまぢめに映るシーンから、もう、可笑しくなる。「え?こんなものも?こんなものも動くの?」
恐竜の化石が動き出すシーンは、もっと怖い表現になるのかと思っていたので、すこし拍子抜けだったのですが、「ああ、そうじゃない、この映画は、決して子供たちを怖がらせるためのものではないのだ」と、すぐに思い直しました。だから、真夜中でも煌々と明かりがつけられている館内なのです。
時間の関係で、前半と後半にわけて観ることになったのですが、その間、「後半に解決しなければいけないこと」をリストアップしてみました。
1*父と息子の関係改善。2*前任の警備の人が、何かたくらんでいる。3*大統領の恋のゆくえ。4*学芸員さんとのほのかな関係。5*アメリカとローマのいがみあい。6*あの感じの悪い館長もなんとかしたい。
見事すべて解決しましたね(笑)。パチパチ。
そして、この映画で何よりも大切だと感じたのは、子供たちに「はるか遠くのどんな存在にも、自分たちと近いものがあるのだ。」「ものごとは、うわべの、見ただけではわからないものがあるのだ。」と言うことを実感として体験させてくれるところだと思いました。怖い顔のフン族も、お母さんにやさしくされなくて寂しい思いをするし、一国の大統領だってオロオロと恋をする。はるか昔に消えた原始人が、「消えてしまう事」に、やっぱりつらい思いをする。この映画を観たあとには、きっと自分の身の回りの色んなものに「想像力」が働くことになって、今までとは少しだけ、でも根本的に物の見方が変わる。「遥か遠くのもの」と、「自分自身」を繋く事が出来る能力と発想は、ひいては「自分は何にだってなれる」と言う力を生み出す。それって、ひとつの立派な「英才教育」だと思うのです。
個人的には、「アルマゲドン」のようなスローモーションの英雄に大ウケでした。
こういう作品こそ、日本版でリメイクしてほしいです。
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