[コメント] ボディ・スナッチャー 恐怖の街(1956/米)
正真正銘の大傑作。黒い夜の表現が特筆に値するが、昼夜問わず、全カットが美しい。中でも傑出したシーンを挙げるとすると、まず、ケヴィン・マッカーシーが町へ到着し、車を走らせるシーンで、車の前に子供が飛び出す場面があるが、この演出の見事さといったら。殴られたような衝撃がある。
直後の、子供の母親とマッカーシーとのカットもバッチリ決まっている。或いはポッド(さや)が開いて発泡する様子を初めて見せる温室のシーンの斜め構図だとか、交差点に沢山のポッド・ピープルが溢れる俯瞰のモブシーン。そして、夜の坑道から、ダナ・ウィンターを抱きながら外に出たマッカーシーが、水たまりでこけた後、彼女にキスするシーンの演出も、こんなの見たことない、という創意溢れる造型だと思う。ラスト近くのハイウェイのシーンも素晴らしく緊張感のある演出だ。
Si-Fiとしての意匠については、どうってことないものかもしれないが、純粋な活劇として傑出している。
#サム・ペキンパーがガスメーター検針員の役で特出。わずかだが、科白もある。
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