映画を見終わって、伝記物としてだけかぁという印象だった。もう一度映画を振り返って考えると随所に見られるデヴィッド・フィンチャーらしいカメラワークとストーリー展開がちりばめられていた事に気づいてしまった。おい！観ている間に気づけよ！との声が聞こえてきそうだが、そこが自然に受け入れられていく事こそが監督の技の一つなのではないのだろうか。 　私は、ストーリーに足らない部分を求めてもしょうがないのだろうと感じた。その理由は、今起こった事ではなく、実に４０年近くも前に起こっていた事を語り直しているのだから。

　またしてもデヴィッド・フィンチャーにやられた！と思わせる様な作品に出会えて良かった。