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[コメント] 母たちの村(2006/仏)

これこそ現在の“生のアフリカ”なのだろうとは思います。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 風習として受け入れてきた旧来の価値観と、女性が立ち上がる近代のぶつかり合いがここには描かれている。今井正あたりの1950年代の邦画の力強さを感じることが出来るし、何より最後に絶望ではなく希望をきちんと描いている辺りはとても好感度が高い。たとえそれが伝統という衣を付けられていたとしても、人権そのものを踏みにじる悪習とは戦わねばならない。という意思力に溢れている。アフリカにある現実を知ってくれ。という願いも感じられる。

 ただ、その意気込みは感じるのだが、残念ながら映画としての出来は今ひとつ。作りが真面目すぎるので、エンターテインメント性に乏しく、更に説明不足も加わって演出が間延びしてしまい、途中でかなり退屈になってしまう…その辺も今井正らしさだったりして。

 視聴者が文化的な背景を知らないことを前提に、もう少し丁寧に説明を加えながら作ってくれれば良かったんだが。特にかつて慣習に逆らったコレが何故村で暮らしていけるのか、その部分をもう少し掘り下げる部分があったら随分良くなったんじゃないだろうか?

(評価:★3)

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