[コメント] キムチを売る女(2005/中国=韓国)
絵画的フレームで切り取られた透明感溢れる空間に、現れては消えてゆく事物。頻繁に繰り返される、そのフレームインとフレームアウトが、二つの国を背負って彷徨うスンヒ(リュ・ヒョンヒ)の、アイデンティティの揺らぎのように見える。定位置を持たぬ魂。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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すべての事象との関係を断ち切ったスンヒの魂そのものの様に、どこへとも行き先知れず一気に突き進み始めるラストカットの長回し。向かう先には「無」しかないのだから、突如、幕を閉じる以外に、この映画は終わる術を持たないのだ。
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