それはそれとして、率直に「おもしろい。楽しい」と言える作品でした。

87年版は、嫌悪感を催すほどのエグみが何より魅力的なので、体の調子が悪いときに見たらアタりそうですが、こちらは消化よさげで体に優しい出来ですし、豪華キャストの使い方がまたすばらしいと思いました。

ジョン・トラヴォルタ は頑張ってるけど、どう見ても「男かあちゃん」だなあ…と思っていたら、最後の最後で「このためだったのか！」と納得のキャストです。愛妻家でお人好しの父ちゃんが クリストファー・ウォーケン 、珍しく悪役のミシェル・ファイファー、強いブラックビューティーといえばクイーン・ラティファと、「お、いいね」と一々反応してしまうようなフィットぶりです。トレイシーを演じたニッキー・ブロンスキー の、プヨカワ笑顔もたまらなくかわいいし。

ただどうしても、最後のコンテストのシーンでは、トレイシーが、87年版のように「例の柄のドレス」を着て颯爽と出てくるのを期待してしまったので、少々寂しく感じました。それこそ映画の持ち味の違いだから仕方ないのですが、拍子抜けのがっかり感で0.5点引きました。

2009.6.4　ひかりＴＶビデオ配信サービス視聴（見放題対象）