[コメント] エディット・ピアフ 愛の讃歌(2007/仏=英=チェコ)
まさしくコティヤールは“異相”と呼ぶにふさわしい女優だ。彼女一人の存在感だけでここまで見せてくれるとは。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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気性の激しい恋する歌姫で知られるピアフの生涯を描いた作品。彼女の場合、奇矯な行動でも知られるが、なにより一度見たら忘れられないその顔つきがなによりの特徴。そんなピアフを体当たりで演じたコティヤールこそが本作の最大の立役者と言えるだろう。
音楽家であれ、画家であれ、優れた芸術家は何かと映画化されることが多い。特に優れた芸術家は、その生涯が波瀾万丈であることが多いので、映画化もしやすいのだろうと思うのだが、逆にその奇矯な行動がテンプレート化されてることが多い。
大体それらの人々に見られる共通項は、芸術を至上としており、そのために人を傷つけることをためらわない。その癖、人恋しくて自分を大切にしてくれる人に最大限媚びを売る。やがてその愛する人をも傷つけ、最後は孤独のまま死んでいき、残ったのはその人が作った芸術作品だけ。というのがほとんど。
本作も基本的にはそのテンプレートに沿った物語が展開し、然るべきところに落ち着くわけだが、この手の物語では、その大半は男性の分、女性をそのように描いたのは珍しいのかも。
結局の話、この手の作品で注目されるのは物語ではなく、演出とキャラ。その意味ではコティヤールは見事すぎるほどにピアフになりきってたし、音楽も素晴らしい。この部分で評価すべき作品だろう。
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