[コメント] 恐怖の土曜日(1955/米)
アバンタイトルのダイナマイトの爆発シーンで既に瞠目するが、タイトル開けの街中のカット-バスが入って来て停車し、画面左側のドアから男が降り立ち、バスの前を通って画面右に回りこむと赤い車にぶつかりそうになるカット-でさらに唸ってしまう。なんという奇異な、しかしキャッチする演出だろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この冒頭の演出もそうだが、本作は主要登場人物をさまざまに絡ませる空間演出こそ見所だ。そういう意味で本作の白眉は中盤のバーのシーンかも知れない。最初カウン ターにリチャード・イーガンがおり、J・キャロル・ネイシュとリー・マービンが入ってきてテーブル席に座る。トミー・ヌーナンがカウンターに来る。ややあって看護婦・バージニア・リースが来てイーガンと踊る。そしてネイシュとマービンが出て行く等見事な人物の出入りの演出。こういう演出の呼吸を楽しむ映画であり、単純なアクション映画を期待すると失望するかもしれない。全編とても複雑な映画の感情が描かれているのだ。複雑と云えば、この時期のアーネスト・ボーグナインが敬虔なアーミッシュの農夫を演じている、というだけでゾクゾクするぐらい複雑じゃないか。
ただし、ラストのバイオレンス演出の潔さも銘記しておかなくては。リー・マービンの死に様もいいが、ヴィクター・マチュアにショットガンで撃たれたJ・キャロル・ネイシュの吹っ飛ぶカットが凄い。
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