[コメント] ALWAYS 続・三丁目の夕日(2007/日)
山崎貴監督の執念だろう。この家族や人物たち全てが生きている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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小さいシーンの積み重ねだが、このキャラの中で最も感動的で最も美しいと思わせるのが薬師丸ひろ子さんが演じる母親だろう。こういう母親が存在したことに、驚かされる思いがする。
前作でも十分その役割を堪能させてくれた彼女だが、今回は遠い親戚の我儘娘を預かるという問題と、戦前にお付き合いしていた男性との再会の問題という、ふたつの問題が彼女を悩ませる。
しかし、この母親は気丈に振る舞うというわけでもなく、ヒステリックになるでもなく、ひたすら旦那(堤真一)を中心とする家族や近所など周辺に気遣い、決して落ち込むことがない。
しかしこんな女性が確かにいたのだ。
母親が専業の職業として認められなくなって、とても久しいが、日本社会の崩壊はそこから始まった。そしてこの映画には、現代日本の抱える家族という問題を比喩的に強く風刺していると思う。
そういう懐古的な世界がこの映画に魅力だ。
そして、この町の通り。
これも原風景を映し出す。
家はこの時代、全くセキュリティを必要としない、”近所の目”という警備システムを要していた。子供が悪さをすれば、必ず近所の誰かが見ている。だから悪いことはできないのだ、という強いガードシステムが日本には確かにあったはずだ。
言い出すときりがないが、日本の社会が崩壊することを暗示する冒頭のゴジラでさえも、この映画が解き放つ現代日本へのアンチテーゼであろう。
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