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[コメント] 熊本物語(2002/日)

あまりにも低予算、あまりにもチャチな画面!なのに、三作目の「おんな国衆一揆」では感動の涙に泣き濡れた。コレは熊本を舞台にした「指輪物語」である。
ボイス母

お役所の肝いりで作られた映画なのに、ちゃんとエンタテインメントとして成立している。 しかも、お勉強にもなって、「個人と歴史」というモノに対する視点がシッカリしているので、大変感動的でもある。

歴史の前ではほぼ全員が無力に等しい、ちっぽけな「個人」という存在。 歴史という巨大なモノの前では個人の生き死になんてものは、沈殿してしまうと(普通は)思えるモノなのに、三池監督は、「その個人こそが歴史を作り、人の営みを織りなしてゆく」と力強く、この地方自治体制作の「おらが村映画」の中で繰り返し主張してくれる。

実はこの三作目「おんな国衆一揆」はワシの実家父が卒業した、小学校隣の温泉施設二階で上映されている作品である。 地元のおばちゃん達は、毎日、温泉に入るついでにこの映画を見、毎日熱狂しては笑い、泣いているらしい。 つまり、コレは「我らの血の中に流れるモノの映画」であるのだ。 この同じ土地で、戦い泣いた先祖達の物語。

そこには時間を超えた熱い共感とエールが籠もる。 映画と地元民の幸せな一つのカタチである。

実は、ワシも「和仁の娘」である。 誇らしい。

(評価:★4)

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