「ご存知」的な感覚なのかもしれないが、ジェイソン・ボーンらのCIAメンバーを抹殺しようとする人たちの描き方が相当薄く、ストーリーという意味では、弱いというのが正直な印象。しかし、その分アクションはやりたい放題。ＣＭにも登場するカーアクションや窓への飛び移りのシーンなど、それはそれは素晴らしい出来である。

本作で、「ジェイソン・ボーン」の自分探しは完結した。これ以上このシリーズを製作すると、単純に００７化するだけだと思うので、打ち止めにして欲しい。ただ、これを受けて００７や、やるのならばミッションインポッシブルのスタッフがどういうアクションシーンを観せてくれるかが非常に楽しみである。スパイ映画のこれからしばらくの趨勢を決めたと個人的に確信している。