[コメント] ジェシー・ジェームズの暗殺(2007/米)
オープニングは、流れる雲の早回し。かったるいダイアログの連続で、最初はこれをずっと観続けるのつらいなあと思っていたのだが、いつの間にかどんどん惹き込まれていく。ジェシー・ジェームズひとりがその場にいるだけで、場の空気が張り詰める。
ブラッド・ピットを筆頭に、サム・ロックウェル、ジェレミー・レナー、ポール・シュナイダー、野趣溢れる男たちの顔面に悪酔いしてくる。とりわけロックウェルの曲者ぶりはここでも効いている。 そんな中、唯一端正な顔立ちのケイシー・アフレックが精神を崩壊させていく過程が真に迫る。
ロジャー・ディーキンスの撮影も絶品。心まで凍りそうな一面の雪原。暗い画面に人物を強烈に浮かび上がらせる光。
ジェシー・ジェームズという人物が、アメリカ社会史においてどのような捉え方をされているのかは想像するしかないが、これも一つの解釈なのだろう。
兄弟・従兄弟や地元のワル友達が、次第に世間を震撼させる犯罪団になっていく。極道というよりは、新左翼の内ゲバみたいな印象だけど。
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