本作は、主人公ではない別の囚人の回想録を基にしており、なおかつフィクション要素も加えて制作されている。そのためか主人公の人格形成が割と場当たり的で、戸惑う部分が多い。冒頭の酒場と贋札工場のシーンをカットするだけでも、割とすっきりするのではないかと思う。

あと、結局何を描きたかったのかが不明瞭で、これまた戸惑う。実話ベースなのである程度仕方ない部分もあるのだが、主眼をどこに置くのかははっきりさせて欲しかった。

それでもヒトラーが作った贋札と言えば、『ルパン三世　カリオストロの城』に出てくるゴート札。と言うような方は観ておいて損はないと思う。