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[コメント] 日本女侠伝 鉄火芸者(1970/日)

世の中には、お互い相思相愛でありながら、叶わぬ恋、成就し得ぬ恋というものがあるのだなあ。よよよ。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 さすがは『総長賭博』コンビの山下・笠原作品! 画のハリは比類ないし、脚本のアヤの着け方・エピソードの絡め方・披瀝の仕方は見事見事。小しずの身代わりに小いく(佐々木愛)がお座敷を勤めようと姿を表わすシーンなんか「うーん、そう来たか!」と意外性に驚くと同時に「やっぱそう来なくちゃな!」と激しく納得したものね。

 見てる間は、ほとんど人類史上初の(←too much大袈裟)殴り込みのない(なくても成立する)任侠映画になるんじゃないかと思ってたけど、ちゃんとあったね。そこらへんの、シュールな異世界を一端経由してから繋げるなんて映像処理もうまかった。

 ただその点に関して言うと、締め方がイマイチと言うか、惚れた男も亡くし、義理を尽くすべき旦那も失った小しず(藤純子)にとって、極めるべき侠の道はどこにあるのか、描き出し得てなかったことだね。ほんとは芸者を辞めるはずだっのに、あらためて芸者道を突き進むことにしたというような、もう一アヤ欲しかったところだ。ラストの激しい雨もアクセントの効果を発揮していたとは言えない。

80/100(08/04/20見)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)sawa:38[*]

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