ほぼ全編降り続ける雨とラストシーンの晴れ間の対比。健全な娯楽映画に相応しく気持ちも晴れる。しかし何故あそこで初めて晴れ間が広がったのかなんていうことに、もうちょっとシナリオ的に理由づけが出来ていたりすれば、あるいはもっとかけがえのないシーンに映ったかもしれない。

短編連作を適宜に選択、再編して一本の筋の通ったストーリーに仕上げた手腕は素直に買いたい。ただ、ジミＯＬから一躍歌姫になって晩年は美容師って人生は、そうあるような人生ではないだけに、多少シナリオ上で無理強いしたっぽくて苦笑を誘わないこともないが…。それだけに、というワケではないが、ジミＯＬ小西真奈美に非常に萌えた自分としては、若い彼女と死神とのエピソードだけで２時間弱をもたせて欲しかったような気もしてしまう。ま、無理な願望ですけど…。

ところで、金城武演じる死神の“ズレ”の妙味は演じる本人の日本人的感覚とのズレのようにも（つまり天然であるかのようにも）映るが、実際の金城武は現場でよくアイデアを出してそのズレを自覚的に演出していたらしい。さすが。

あと、主題歌を歌う小西真奈美の歌声も意外なことにかなりヨカッタ。微妙にエロ。