[コメント] クローバーフィールド HAKAISHA(2008/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「全編ハンディカメラで撮った映像なので酔うらしい」という前知識はあったので用心しながら、なんばパークスで見た。
アメリカ国防省のテロップからカップルの映像、そしてパーティの映像に切り替わる一連の映像が憎い。ちょこっとした字幕、会話、台詞だけで映画全体の成り立ちを説明する冒頭の仕掛け。説明が説明っぽくないのがすばらしい。特に、極限状況でカメラが回り続ける理由がここで提示されているのがすごい。
カットが入るたびに、幸せだった頃の主人公カップルの映像が入り、人物関係の把握において最初に取り残された人もここでレスキューされるという仕組みである。
全編通して素人撮影のハンディカメラ映像という体裁を取っているため、情報は断片的だし、第三者視線は一度も入らないので、全体の謎解きすらできないまま観客もろとも引きずられていく感じがいい。時折写るクリーチャーが実にいやらしく、かわいげもかっこよさも一切ないところがやりきれない。
『エイリアン』でも、断片的に示されるモンスターが恐怖感を盛り上げていたが、第三者視線による謎解きとカタルシスが最後に用意され、観客は安心して劇場を後にできた。しかし、こちらの映画は最後までカタルシス的なものは一切ない。だが、そこがいいとさえ思ってしまった。
エンドロールでは『ゴジラ』のテーマ曲に似た"ROAR!"という曲が流れるが、この曲の説明書きを見落としてしまったのは残念。なんか「日本の怪獣が...」みたいなことを書いてあったような気がしたのは気のせいか。
でも、画面が見にくくて、酔わないか心配になったのでマイナス1の☆4。にしようかと思ったけど、やっぱり☆5。あと、邦題の「HAKAISHA」は全く余計で、付け足した配給会社のセンスを疑う。
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