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[コメント] クイック&デッド(1995/米)

馬鹿げた作品には違いないけど、その馬鹿を楽しめる人のために(そして自分が楽しむために)作り上げたライミ監督に頭が下がる思いです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 映画も数観てくると、だんだん好みの俳優、逆に苦手な俳優というものが見えてくるものだが、私にとってシャロン=ストーンは後者にはいる。役者として悪くはないと思うけど、妙に高慢な所とか、明らかに他の人間を下に見ている姿勢とか、その辺がどうも合わないのだと思う。対してライミ監督はデビュー以来大好きな監督の一人。それでさて、この作品ではどっちが勝るか?そんな思いで観た作品だったが、これは(少なくとも私にとっては)大ヒット。西部劇のお約束や思想など全て無視しして突っ走る最高の娯楽映画に仕上がっていた。

 明らかにこれは監督の確信犯。西部劇に必要な色々な約束事や「こうあらねばならない」諸々をちゃんと知った上で、しかもあくまで西部劇の枠内で、それを茶化しつつ全て突き抜けた作品を作ってやろう。と言う意志に溢れていた。伝統に則ったように見えて、これほど反逆精神に溢れた作品も無かろう。

 しかもその荒唐無稽さを逆に面白さに変えてしまっているのがライミ監督の実力なんだろう。『死霊のはらわた』(1983)を最初に観た時に思った、「反逆児」という思いは本作でますます高まった。

 どんなに定式から外れたって良いじゃないか。馬鹿馬鹿しく立って良いじゃないか。どうだ。これは最高に面白いだろ?と言う主張が聞こえてきそう。

 そりゃ、確かに豪華すぎるキャストの割に薄っぺらい設定とか、ストーリーの弱さなんかは確かにあるけど、この作品についてはそれらはみんな添え物。本作はとにかく以下に格好良くガンファイトをするか。そこに特化している。

(評価:★4)

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