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[コメント] 田園に死す(1974/日)

恐ろしい。映像が、才能が。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「恐山さ、行ってくる。ちょっと死んだ父ちゃんに会いたくなったから」なんだ、その何気ない日常の様な会話は。

母ちゃんが死んだ父ちゃんに話しかけていきなり畳を剥がす。やばっ、と思ったら真っ青な恐山の上空が畳の中から回転しながら迫ってくる。もっとやべえじゃねえか!

安産わんこの死。赤子の殺し方。怖すぎて笑ったのは初めてかもしれない。

噂話をする婆ちゃん達。話題がループする、小声でどうでもいいことをやばそうに話す。葬式の時、婆ちゃん達が集まったら確かにそうでした。

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青森は中心から縦に切って左が津軽、右が三八上北と呼ばれ恐山は下北半島の北に位置する。寺山は津軽出身のはずで下北は彼にとっても外国なのだ。

欧米人が日本を映像化すると我々が考える「アジア」のイメージになるのと一緒で、寺山が青森(恐山)を表現すると異次元の世界になるのもなんとなくわからんでもない。

結局、途中で現在の自分を出してきて、前半の作品は彼が作った「映画」であるとバラしたり、捨てた(殺した?)はずの母ちゃんと新宿でご飯を食べていたりと彼なりの照れを表現しなくては気が済まないところが寺山らしい所なんだろう。

しかし、サーカス・パートは必要か、と問われれば自分には必要があるようには感じなかった。三上寛の宣言は必要だが。

・実家は青森市だが4時間前後、車でかかる。実家から4時間あったら東京の自宅まで帰れるんだから恐山に行くことは立派な旅行だ。そんなにかかると思っていなかったので現地に着いたら夕方、人がいない、カラスだけ。ホントに死人がそこらを漂っている感じの場所だ。死後の世界なんて信じない人間がそう感じるのだから半端ではない。是非1回行ってみて下さい。

ちなみに、うちの母が、って先を越されたっ

(評価:★5)

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