[コメント] バルカン超特急(1938/英)
お高く留まる列車ミステリーではなく、列車活劇ミステリーだったとは。まさかの展開の連続こそ「映画」なんだな。爽快感を伴った「娯楽」は一級品。大胆にも色んなジャンルを組み込んでいるが、舞台的なユーモアのおかげで大成功している
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ユーモア!これに尽きる。特に二人組の紳士は最高だ。登場するタイミングが絶妙で、台詞の一つ一つが本当に面白い。敵国の陰謀に巻き込まれ、列車が停止してもなかなか気付かない二人。とうとう片方が手に被弾して、そこで初めて「これは緊急事態だ」と気付くわけである。もう片方は「射撃は得意なんだ」と言い、どこか得意げな表情で銃を撃ちまくるところなんか最高におかしかった。作品における銃撃戦は見方によっちゃアンバランスだとも思えてしまうが、そういう滑稽とも取れるシーンこそ、他のユーモアの数々と折り重なって僕には非常に良いバランスだと感じられる。
ミステリーとして細かい箇所を追求すると解り辛いところもいくつかある。それでも一級のミステリーを観た!と思わせてくれるところが、後のヒッチコックを裏付ける見事な手腕のおかげなんじゃないか。
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