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[コメント] エイリアン3(1992/米)

前と同じにしてはならないと言うプレッシャーからか、本作は哲学的要素を含んだ内容となっている。しかし、映画でそれを用いると、往々にして失敗する。<エイリアンの生態について付加>
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 冒頭から、前作であれだけ苦労して助けたニュートが死んでいた事が分かり、ちょっと悲しかった。物語は淡々と進み、結局こう終わるのか。と言う程度の物語。取り立てて言う必要は無し。ビショップのオリジナルが現れたことと、エイリアンがリプリーに肉薄するシーンは散々パクられた事くらいか。

 前2作が大ヒットを飛ばしてしまったため、これを作るには相当な手間が掛けられたらしい(ウィリアム=ギブスンが脚本を書いたこともあるそうな)。それで決まったのがこのデヴィッド=フィンチャー。この作品で見捨てようと決心した監督(後に『セブン』『ゲーム』でファンになってしまう辺り、私のいい加減さだが)

<余計な考察>  ところで『エイリアン2』において明らかにされているのだが、エイリアンの生態は地球上の蜂や蟻によく似ている。女王蟻は兵隊蟻を量産し、そして自らの後継者として一匹の女王蟻と、数多くの羽蟻(雄蟻)を産む。その辺を思わせる。

 ただ、もしこれがエイリアンに当てはめるとすると、ちょっとおかしな所が出てくる。蟻においては、兵隊蟻というのは減数遺伝子によって作られる(無精卵が孵化したようなものだ)。雄蟻との交尾によって、全数遺伝子を持った存在として作られるのは女王蟻と羽蟻だけ。だから、リプリーの中にクイーンのフュータス(チェストバスターになる前のエイリアン)を産み付けるのは良しとしても、このままだと交尾できないから、いずれにせよ死んでしまうはず。

 リプリーが「身体の中にいるのはクイーンで卵を産み続ける奴」と言っていたのは、この場合においては当てはまらない。

 まあ、地球外生物だから、クイーンだけはクローニング(つまり自己増殖)可能な形として生まれるのかも知れないだけの話しなのかもしれないけど。

 そう言うことで、私はこの映画、最後までノリ切れなかったと言うことを言いたかっただけです。どうせ一匹で終わるんだったら、最後の死は犬死にだもん。

(評価:★2)

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