ここでのウィリアム=ハート、最高です。最近の彼の役回りは妙な嫌らしさがハナについていたが(『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『インクレディブル・ハルク』usw.)、成る程この演技を観て納得。中心のピースがカシッと嵌まった感じだ。<1人主役>の筈が少々割りを喰ってしまったケヴィン=コスナーだが、このひとも名優である事を再認識させた。このひとの「新境地」はこれが初めてではないが(『パーフェクト・ワールド』『ウォーターワールド』usw.)、同じような事に挑んだリチャード=ギア(『消えた天使』)やロビン=ウィリアムズ(『ストーカー』『インソムニア』)より明らかに(圧倒的に？)勝っている。

途中からはこの２人が揃っているだけでもう楽しくて、周りの客など気にせずに「３人で」笑ってました。

最後にポイ捨てするシーン、『ボーン・アルティメイタム』や『羊たちの沈黙』程の瞬発力はなかったけど、結構佳かった。特に孤軍奮闘したデミ=ムーアが結局最後まで全然到達出来てない所なぞも佳い。