[コメント] ラスベガスをぶっつぶせ(2008/米)
ブラックジャックの基本ルールはノビさんにおまかせするとして、映画のなかで行われているカウンティングとは何かというと、文字通り「カードをカウントする」ことである。ブラックジャックは21を作れば勝ちだから、1または11と数えるAと、10と数える絵札がとっても大事になる。だって最初に2枚配られた時点でAと絵札が来てたらその時点でプレイヤーは勝ちだから。そしてブラックジャックというゲームは1回やる毎に使われたカードの数字は参加者全員が目にする上に、その使われたカードは捨てて再度使うことはない。ということは、
今まで使われたカードを全部覚えておけば、山に残っている(今後出てくる)カードがある程度わかるんだから数えてればよくね?
ということで生まれた戦術がカウンティングなのだ。とはいえ実際にやるときは多いときで6デッキ(52枚×6=312枚)でプレイするし、そもそも「Aが3枚で2が6枚、3は2枚で4は…」などときっちり覚えるのは難しすぎる割に効果が少ないので(ちなみに『レインマン』のダスティン・ホフマンはこれが出来たので、トム・クルーズは彼を連れてカジノに行った)、普通は以下のように数える。
・Aと絵札が出たら1枚につき「−1」とする
・7、8、9は出ても「0」
・6〜2が出たら1枚につき「+1」
この約束でゲームごとに足し算を行う。その時に答えが正の数になってるときは、これまでのゲームで6〜2の数が多く使われてきたことになり、答えが負の数になっているときはAと絵札が多く使われてきたことになる。つまり
・答えが正の数ならば残りにAと絵札が多く含まれているので勝ちやすい=ホットなテーブル
・答えが負の数ならば残りに6〜2が多く含まれているので勝ちにくい=冷えたテーブル
と位置づけて、ホットなテーブルでだけ勝負するようにしようというのを実践したのが今回の映画のチームである。
ところがこの作戦いろいろと問題がある、というか今では映画のようには出来ないのが現状なのだ。
まず映画ではチームで動いていたが、単独で行えば目立たないしアガリも大きいんじゃないかと思うだろうがこれが難しい。というのは一人で行うとゲームの最初から、つまり数値「0」の状態から賭けなければならない。まぁそれでもホットの時にドカンと大きく賭ければ良いじゃないかと思うだろうがそれは余りにバレバレである。基本的にこういう不自然な掛け金の大小を行うと、店のディーラーはすぐに現在使っているデッキを処分して、新しいトランプを用意する(ペネトレイトという)し、それでも諦めずにやってたら、それこそ奥からローレンス・フィッシュバーンがコンニチハである。
じゃあしょうがないから映画のように最初はテーブルに小額しか賭けないカウント役をおいて、テーブルがホットになったらこっそり合図を出して席につく方法をすればよいと思うだろうが、残念ながら現在はゲームに途中参加することを認めていないテーブルが多く、途中参加可能のテーブルでも、途中参加者は最初からいる参加者よりも掛け金の上限を制限されてしまう場合が多いのだ。
とは言えブラックジャックというゲーム自体は、基本戦略さえ覚えて実践すれば、ルーレットよりも客への払い戻し率が高いのでこっそりカウンティングをして、さりげなく1回だけ大きく賭ければ勝率はかなり高くなると思います。
オレは学生の頃、日本のカジノバーのブラックジャックで女性ディーラー相手に爆勝ちしたら(カウンティングの真似事っぽいことはしていた)、店の奥から若いんだけど明らかに堅気じゃないディーラーが出てきてフルボッコに負かされたことがある。正直オレはいまでもイカサマだと思っているが、その一件で店に行かなくなりその数週間後にその店がなんと闇カジノという事で摘発を喰らったということがある。聞けばその店で一晩に300万溶かした医者が、それを嫁にバレて嫁から通報が入ったらしい。オレ自身はまさか裏で換金出来たなんて夢にも思わなかったから大層ムカつくと同時に通い詰めてなくて良かったとホッとしたものだが、映画でも現実でもしっかりしてるのはやっぱり女性なのだなぁとこの映画を見て思ったりしました。
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