[コメント] イースタン・プロミス(2007/英=カナダ=米)
この暴力には憧れない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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だってフルチンだもん。痛そうだし。
「精神を肉体に刻む」という意味で、刺青っていうのが、まあ監督の好きないつものモチーフってことなのかな? そうだとしても、深層心理のメタファー・モンスターが、まんま肉体に襲いかかるっていうホラー時代の頃に比べると、かなり比喩度は低い。
前作は、「秘めたる暴力性」のように、まだ心理面にコミットしていたのに、今回は意識下のものにまったくコミットしていない。監督の作品の中でこんなの初めてなんじゃないだろうか? 監督が描いてきたいろいろな「肉体を破壊する」ものたちの中で、「暴力」っていうのは、深層に隠れているようなものではなく、もっと直截的で日常的なものだっていうことが言いたかったのかな? クローネンバーグ作品ってことになるとつい、いろいろ考えたくなりますが、そうだとして、思索派の監督の行き着いた先がふつうのヤクザ映画(しかも潜入捜査もの!)になっちゃうっていうのが、突き抜けたら向こう側に出ちゃったようで面白い。
次回作はどうするんだろ? バロウズもやったことだし、村上春樹でもやりますか? 監督。主演は三度ヴィゴ・モーテンセンで。え、「以後もう、せんて!」って?
さらに蛇足。ナオミ・ワッツって変態系作品によく出てるよねえ。もう一人のデヴィッドとか。ゲテモノオタク監督たちのタイプなのかな?
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