[コメント] クライマーズ・ハイ(2008/日)
”現場”感に溢れる職業映画。こういうの大好き。日航機が消息を絶った共同電の一報が入ってから、一気に局内が騒然となり深夜の出稿まで息もつかせない臨場感に目が離せなくなる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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時代設定と考証の妙味。文明レベルは現在とそう変わりはない一方で、パソコンと携帯電話不在で明らかに”今”との断絶を感じさせる「1985年」という時代が浮かび上がる(因みにタイガース絡みのガジェットもところどころに配される)。さらに”地方新聞社”ならではの要素。社長の絶対権力、地元政治家の影響、現場が群馬か長野かでまったく違ってくる事故の重み、など。
名は通っていないが味のある芸達者な俳優陣がもう一つの見どころ。堤真一とやり合う遠藤憲一や螢雪次朗ら上司陣、ほとんどチンピラ筋にしか見えない販売局長皆川猿時らが魅せる凄味。
「チェック、ダブルチェック」の人、堤が勝負に勝ちきれない苦味のある結末も硬派な作風には適切だったように思える。
年老いた堤が、小澤征悦と衝立岩に挑む現代パートとの交錯構成は臨場感の相乗効果を生んでいて佳いと感じたが、精神に異常をきたした記者が事故死する件りや堤の出自に関するエピソード、ラストのニュージーランドロケあたりはややいろいろと盛り込み過ぎの感は否めない。
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