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[コメント] カメレオン(2008/日)

21世紀に“松田優作映画”は成立するか?という実験映画
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とでも思わないと観てられない。

実際、丸山昇一が松田優作を想定して書いた脚本だそうで、リライトしたとは言え元は約30年前(たぶん)の化石。80年代前半の脚本と思うけどテイストは70年代。 そもそもどうなの丸山昇一。このシネスケでの低評価っぷり。

阪本順治の演出は、阪本順治らしい演出で、そりゃまあいいんですが、話自体の古臭さがどうにも。 なんだその設定? “国家と闇組織”なんて妄想、きょうび小学生はおろか週刊実話だって抱きませんぜ。 そんな時代は、バブル崩壊と情報化の発展で終わったの。

設定以外の所に目を向けても半端な話の気がする。 これ、巻き込まれ型なの?それとも自分でヤバい道選んだの?

前者だったら、もっともっと追い込まれるべきだと思うし、爆発するまではもっと昼行灯でいてほしい。ヘラヘラしてたけど実は・・・って方が燃える。 後者だったら、結末はもっともっと孤独であるべき。一人で雑踏を歩くべき。

いや、そもそも「都会の雑踏」の時点で違うかもしれない。

70年代(正確にはバブル前の80年代前半)まで「都会の雑踏」は孤独の裏返しだったし、孤独の描写たる画面(えづら)に見えただろう。 でも今のご時世、都会の雑踏を描写しても同義にならないんじゃないだろうか。

現代の設定なら現代らしいハードボイルドを模索しようよ。 いつまでも優作とか裕次郎とかミスターとかの幻影にすがるのはやめようよ(最後のは関係ない)。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)煽尼采[*] TOMIMORI[*]

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