[コメント] スター・ウォーズ クローン・ウォーズ(2008/米)
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映画『スター・ウォーズ』では幾度か語られてきたものの、映画としてほとんど描かれてなかった重要な事項があった。それがいわゆるクローン大戦のこと。これによって消耗した共和国を新たに台頭した帝国軍が完全に乗っ取ってしまい、シスの暗黒卿による支配が始まるというものだが、この大戦そのものは映画では語られてこなかった(EP2のラストとEP3の冒頭部分でちょっとだけ紹介されてる)。
これは製作側の戦略的な意味もあったらしく、ジェダイとシスの対決を映画で描いておいて、残されたクローン大戦をアニメの方で展開させることになる。その結果出来たのが『スター・ウォーズ クローン大戦』(2003)だが、更にそのアニメをスピンオフして劇場作品に仕上げたのが本作と言うことになる。映画からスピンオフしたテレビの更にスピンオフというちょっとややこしい位置づけにある作品。
テレビ版から映画版に移行するに際し、2Dアニメを3Dに、新キャラも用いたオリジナル作品として作り、主人公達以外をデフォルメさせずより実写版にした。その結果出来た作品は、見応えに関しては少なくとも充分及第点。これがもし実写映画だったら、超大作と言っても良い派手さとテンポの良い演出力を誇っている。
ただし、ストーリーの方は、盛り上げる部分は随所にあるものの、基本的に一本調子で単純な作品になってしまった。主要キャラを殺すわけにはいかず、更にそれなりに映画の登場人物も出さねばならないという都合があって、スピンオフの都合上仕方ないところがあるのだろう。しかもこの作品は映画版とアニメ版の二つの狭間にあるため、自由度はかなり低い。その中でここまでやったというだけでも褒めて然り。
この物語の中心はアナキンとなる。EP2でも見られたが、自分の能力の高さをよく知っており、傍目からは無謀と見える作戦を率先して行い、結果として戦術的な勝利に導くと言ったキャラとして描かれるが、今回その相棒となるアソーカは、そのアナキン以上にぶっ飛んだキャラなので、似たもの同士でいがみ合ったり、協力して突飛な作戦をものにするなど、コミカルな部分に割と力が入ってるみたい。映画版には随所に出てきたキャラクタの成長や精神的にキツイ部分などは無くなっているが、それも対象年齢をかなり下げた結果かと思われる。
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