[コメント] 見知らぬ乗客(1951/米)
送迎の車を降りて列車に向かう人々の足元を映す、なんとも流麗なオープニング。その流れで、組んだ脚がぶつかることを契機に口火が切られる車内での二人の会話。この導入の見事さ。
ロバート・ウォーカーの不気味さは絶品。パーティで老婦人と絡むシーンでの瞳の奥の冷たさよ。
テニスの試合が意味もなく本格的なのもよい。熱戦に手に汗握る感覚が、ライターを必死で拾い上げようとするウォーカーの姿と切り返されることでボルテージが上がっていく。
そしてクライマックスの回転木馬の過剰さ!この笑ってしまいたくなるほどの過剰さこそがエンターテイメントの極致だ。
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