[コメント] イントゥ・ザ・ワイルド(2007/米)
傑出した画面があるわけではないが、彼の旅を永遠に眺めていたいと思わせる心地よさが漂っている。かつてのニューシネマのような押しつけがましさが感じられない。それはきっと彼の旅が、只々しがらみから自由になる過程であるからだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ペンの演出も、主人公の内面に過度に入り込もうとしない。第三者目線を保つことにより、もともと第三者である我々観客にも馴染みやすいものとなる。
しかし一方で、しがらみから逃れることは孤独に直面することである。その視点をぶらすことなく描いているところが現代的でもある。ヘラジカの解体が思うに任せなかったことを契機に、心底望んでいた北の地の大自然に次第に敗北していく主人公の姿は生々しい。
ラスト、バスのサイドウィンドウに切り取られたアラスカの高い空が印象的。
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