[コメント] ファイヤークリークの決斗(1968/米)
活劇的魅力に乏しいことは否めず、“SHERAF”のバッヂはもっと感動的に機能させられたはずだとか細かい文句は多いが、ぐつぐつと内圧を高め終盤に爆発させる展開は成功している。キャラクタの厚みについても、ジェームズ・スチュアートとヘンリー・フォンダを揃えればそれだけで生み出せる類の単純なものではない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「農民保安官の一番長い日」というわけで、ここでもスチュアートの悲壮顔は天下一品でむかつくほどだ。フォンダの濡れた瞳の説得力も凄い。頭の弱い(?)「保安官助手」のロバート・ポーターはそこにいるだけで哀れみを誘い、すばらしい。映画の鍵を握るはずのインガー・スティーヴンスの扱いはやや半端か。
終盤の銃撃戦において一貫して「風」を吹かせてみせる演出もうれしい。その「吹かせ方」にじゅうぶんに満足することはできないが。六〇年代後半という時代に西部劇を撮るに際して「ルーザーたちの町」というテーマを選択するあたりも興味深い。それもスチュアートとフォンダの共演作で行うのだから。二人の共演作としては二年後の『テキサス魂』よりもよほど「時代」および「その時代における西部劇」を意識した作品だろう。
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