[コメント] ワイルド・バレット(2006/独=米)
通常のクライムアクションかなと思っていたら拳銃一つでハナシが意外な方向に分散し、考えたら悪夢の一夜なんだけれど、構成が緻密で重厚、また家族の哀しさまで感じるダイナミックな大人のドラマに仕上げていました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ハナシはとても錯綜していて見ていてとても面白かったが、これは脚本が一流だなあと感じる。ラスト近くのどんでん返しもあっといわせる演出ではなく、さらりと披露しているだけなのでこちらはにやりとしてしまう。うまい演出だ。
一番面白いと思ったのは隣の不気味少年が偶然に幼児誘拐犯に遭遇してしまう変質夫婦家での気味悪さだ。何かアイスクリームを食べるほほえましい夫婦がだんだん異常性を発揮するおぞましさはこの映画を重厚にしている。
通常この内容で2時間を超える作品は観客である我々がヘタってしまうが、ラストまで演出力は落ちず、画面に見入ってしまう。
でも何だかんだ言っても、隣人少年キャメロン・ブライトの演技は異彩を放っている。完全にポール・ウォーカーを喰ってしまった。セリフはなくとも表情のみで内面演技が出来る凄い俳優である。「記憶の棘」で注目していたが、ここまで凄い演技をするとは、、。強い奥さん役のヴェラ・ファーミガもうまい。男顔負けの強さには舌を巻く。B級だと思っていた映画がこんなにハイテンションだとは映画って見ないと分からないですね。秀作だ。
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