[コメント] マルタのやさしい刺繍(2006/スイス)
新しいことを始めるのに、年齢の早いも遅いもない。世間から変に思われないかとか、うまく行きっこないといった障害の多くは、自分で自分に制限をかけているだけのこと。実際に始めてみればいろいろ困難も生じるだろうが、始めたいと思った自分の気持ちに素直でいれば、きっとうまく行く。ざっとこんなことらを優しく主張する、基本的にいい映画だ。
映画に華を添える女優陣も、どこから探し出してきたのかというくらい、適度に老いていて、かつそれなりに見栄えのする人ばかり(ああ、そうでない人も若干いたが、適切な役が振られていた)。
気になったのはこうだ。80歳のお婆ちゃんがランジェリーショップを開いたら、それだけでローカルニュースのネタになる、というのが私の中の普通の感覚。もちろん、ほのぼの系、お年寄応援枠内での話。だがニュース性を感じるということは、それが自分の身内だったりした場合、恥ずかしさを感じたり、あざける気持ちが生じたり、止めさせようと行動したり、という感覚がまったくわからない、わけではないということでもある。田舎町で生まれ育ち、今でも田舎に住んでいたとしたらなおさらだろう。まったくピンと来ないのは、こういう感覚の支配的である集落が、この現代社会に存在しているということである。そんなのあるかね? 特に、中年男たちの保守的な反応を、ポカンとしながら見るハメとなった。自分たちの理解しない価値観への無神経さは、また別の形で描いてくれた方が、私には訴求しただろう。基本は前段に書いたようなことを描いている作品なのだが、こっちばっかり気になってしまった。
※コメント欄は、書いて見ただけッス(踊らないし)。ブラガールにしよっかとも思ったけど(下着だけに)・・・。
75/100(09/05/24見)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。