[コメント] K-20 怪人二十面相・伝(2008/日)
パクリばっかり?いいんじゃない。そもそも江戸川乱歩原作なんじゃないんだし。いや、俺は積極的にこの作品を肯定する!
私は、映画は冒頭だと思っている。最初の3分から5分見て合わない映画は、最後まで見て面白かったためしがない。その意味で私は、この映画の冒頭のアニメーションから、パクリを気にせず見てね、という作り手のメッセージを(勝手に)受け取ってしまった。
よく考えてみれば、そもそも原作は江戸川乱歩をパクった北村想の作品なんだから、明智探偵や小林少年が少年探偵団シリーズとイメージが違うという指摘は野暮だろう。それに江戸川乱歩自体がポーをパクって名のっているのである。さらには、怪人二十面相は変装、つまり人のパクリの名人である。この映画がパクリだらけなのは、むしろまったくもって『怪人二十面相・伝』らしいとは言えまいか。
とはいえ、すべてがパクリだとパクリの向こうの表情が見たくなるのも人情だ。怪人二十面相の正体を知りたいように。佐藤嗣麻子監督に、北村想原作ではなく、江戸川乱歩原作の本物の怪人二十面相を撮ってもらいたいと思ったのも事実である。
★4。+1としたのは、松たか子の令嬢に、かつての『ハムレット』(1995年・銀座セゾン劇場)でのオフィーリア役を思い出したから。舞台での松たか子の芝居は本当に絶品である。それと源治の妻役の高島礼子は素晴らしい。したがって★5です。
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