どれだけギリギリまで這い上がってきたところで命綱を切るか、もしくはどれだけ高くまで持ち上げれば落ちたときのダメージが大きいか、そんなことに知恵を絞ってるとしか思えないもんな。隣の窓がないクダリとか、おもむろに男たちが幻想をぶち壊すクダリとか、見せ方も手伝ってかなり効果テキ面。さらに娘を抱きしめると灰と化し崩れるクダリなんて、悪意というより悪趣味極まりないよ。

ともあれ、ひとつの客室に限定して、これだけ室内の様相がコロコロ変わるのを見てるだけでも面白い。いわゆる密室劇の楽しさとも違うのだけど、これはこれで映画として見せ方を考えて作られていると思う。ストーリーに関して言えば細かい突っ込みドコロがあるとはいえ、肝心の邪悪な何かの正体を明かさないのが逆に良い。ラスト(テープ)もギリギリのラインでの救いだろう。ただ、１４０８号室を閉鎖しない理由が決定的に弱い。と思う。

そういえば、向かいのビルに自分の姿を見るって、乱歩の某短編を連想させるな。よくあるイメージではあるけど。[3.5点]

(2009/4/26)